サンボマスター / 僕と君の全てをロックンロールと呼べ
【怒りも悲しみも喜びも哀しさも全て君に伝えなければならない】

僕と君の全てをロックンロールと呼べ
サンボマスター 山口隆 / ソニーミュージックエンタテインメント
ISBN : B000EF5V1E



最初に断っておかなければならないのは、今回は曲ごとの紹介なしです。いや、下手したら曲の紹介すらしないかもしれません。
実は長いアルバムが嫌いです。12曲以上になると冗長なような気がしてきます。情報化社会の落とし子的な感覚なのかもしれませんが、単純に意味あるのかよ?っと思ってしまう部分が多いです。
18曲、70分超というキャッチコピーだけが先行しているような気すらする、サンボマスターのニューアルバム。それだけ聞くとなんだかなぁって気持ちが出てきてしまうのですよ。長いから大作だとか、曲数が多いからお買い得だとか、そういうのはベスト盤とかだけにしとけばいいわけですよ。ってこんな事書いちゃって、自分のブログの中にボロがありそうな話だけどw

そういう問題じゃないんだ。

『今一時に対して真摯』という言葉を思い出す。「アカギ」という麻雀漫画の中に出てくる言葉だけど、これ以上的確にこのアルバムに対する言葉もないような気がしてしまう。「全部言いたかった」というのは、Vo&Gの山口氏が言ってることだが、「全部言いたい」という感情がそもそも「今に対して真摯」なんだよ。

明日は希望であり、絶望でもあるんだ。

誰に対しても時間は平等だけど、人生で持てる時間の長さは違う。もしかしたら明日なんてこないかもしれないし、今日だって終わらないかもしれない。だから、今一時を薄めない生き方をしなくちゃいけない。わかっちゃいるんだ。でも、ほとんどの人間がそんな事できない。というか、多くの人間はそんな構造をしていないんだと思う。そういう人間にとっては、明日という逃げ道は希望であるように思えるけど、明日になったらまた明日で明後日という逃げ道を知ることになる。だから、その状態に対する絶望めいたものを持っているはずなんだ。
だからこそ、だからこそ俺達は「今に対して真摯」であることに、心を打たれる。

サンボマスターの音楽は痛いくらいに今に対して真摯だ。

この現実を見据えた上で、鳴らさなければならない音楽を作るという事は尋常な作業ではない。その「言わなければならない」という訴求感がどこから来るかわからないが、それを具現化するという作業は情熱という言葉だけではあまりに物足りない。
一生懸命俺らはその原料を探す。でも、この音楽に対してそれをする必要性はないだろう。

受け入れて、進むしかねぇんだろうな。

この痛みも、憎悪や、歓喜や、評価や、希望も絶望も。全て受け入れて、そこから"今"に対して何が出来るのかということなんだろうな。まさしくこのアルバムは受け入れて、放っている。恐ろしいくらいに受け入れて、放っている。多分1人じゃここまでできないだろう。3人だからそこまでできるんじゃないかと思う。でも、なんなんだ、一体この燃え尽きる事を恐れない意思の塊は。命を費やして人間はここまでやることができるのか。

涙が出るじゃねぇか。

言葉でもなく、メロディでもなく、共有しているという事実に涙が出る。この音楽を聞いている者と奏でている者のプライベートな感情。共有感。存在感を確かめることに涙が出る。そこにいる誰かの存在を認めようとする、その行為をこの熱さで、この想いで、"今"、それも常識を逸脱したレベルでやっている事に、死の美学すら感じとれる。

これが伝えるということなのか。

人に言うという行為なのか。

伝える事は理解してもらう事とはイコールではない。理解してもらおうとする事だ。不確定なんだ。だから、"今"わかってもらう必要はないんだと思ってしまっている自分がいる。でも、"今"わかってもらおうとする彼らがいる。だから。

受け入れて、進むしかねぇんだろうな。

素晴らしい、想いをありがとう。
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by shimo_G | 2006-04-16 11:51 | 音楽
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