最悪 / 奥田英朗

最悪 (講談社文庫)

奥田 英朗 / 講談社


えっと、残念ながら冬休み無くなりました…。2日ぐらい休めりゃいいかな。
困ったもんだ。

んでは、本のご紹介。
先日の琴線でちょいと話した奥田さんの出世作"最悪"です。

あらすじ。

川谷信次郎は町工場の経営者。とはいえ、俗に言う零細企業というやつだ。バブルがはじけ、対した儲けにならない仕事を必死にこなす日々。しかし、慎重な経営者であった川谷は信用金庫に500万、銀行に300万の貯蓄があり、「何かあった場合はこの金でなんとかなるだろう」と考えていた。しかし、娘を短大に行かせる余裕なんてなかった。
そんな矢先に取引先の人間から、タレパンという2000万程の機械を導入する事を薦められる。取引先の仕事を断る事に気が引ける川谷は、強い薦めと仕事の約束を取り付けた事からタレパンを導入を決意する。これで娘を短大に行かせ、家族にも楽をさせる事ができる。そして、銀行から融資を受けるために、借金をし銀行に資金を預けることになる。
しかし、同時期に発生していた近隣住民からの騒音苦情、仕事でのミスが徐々に彼の明るい未来に影を作りだしていく…。

藤崎みどりは都市銀行の窓口を担当するOL。自由奔放な妹のせいで、住んでいる実家の母は頭を悩ませている。自分は迷惑をかけてはいけないと考えるみどりは、憂鬱な月曜日の出勤でも足取りは重いながらも休む事なく仕事をしていた。
都市銀行の無駄ともいえる団体主義によって行われる、ゴールデンウィークの研修旅行も当然気乗りはしなかったが、暗黙の了解での全員参加の義務付けを破ることはなかった。参加しなければ、大人とは思えない公然無視のイジメが始まるのだ。
しかし、研修時の食事会で酔い潰れたみどりは、介抱するかのように接して来た支店長からセクハラ行為を受ける。
悩んだ彼女は、同僚のOLに促され、直属の上司ではない課長に被害の相談をするが…。

野村和也は地元の高校を中退し、実家から出て愛知で土木作業員をしていた。職場で知り合った兄弟と懇意になった和也は、親からの解放もあり充実した日々を送っていた。しかし、兄弟が親方ともめて現場を離れ、友人が居なくなった和也は、現場を辞め職を転々とする。去り際の兄弟が「東京に行く」と言っていたため、川崎に移り住んだ和也は、働かずにパチンコと、ケチなカツアゲ、板金工場から盗むトルエンを売って生活を形成していた。
パチンコ屋で知り合った年増のホステスと関係を持ち、充足した生活を送っていた和也は、顔見知りの男と再度トルエンを盗みに工場に入り、多量のトルエンを盗み出す。
仲間の呼び出しでトルエンを裁く兄貴分を紹介したいと言われた和也は、ヤクザの事務所を訪れることになるが…。

そして、接点の無い3人は出会い、極限状態に追い込まれていく。

"最悪"の状況にズブズブとはまった3人を待ち受ける運命は如何に。

といった感じですかね。
ちょっと説明が長いなw。

ミステリーというよりはサスペンス。群像劇を扱ったクライムノベルと言っても良いかも。

とにかく、各人の心理描写が非常に上手い。真綿で締め付けられるように苦境に陥っていく3人の心情が、懇切丁寧に描写されていて、身につまされるものがありますし、読んでて良い意味でウンザリしてくる。こんな状況最悪だなってね。

文体も非常にわかり易く、無駄に難解な書き方をしていないので、ぐいぐい読ませるし、辞め時が見つからないね。3人が出会うのはかなり終盤ですが、そっからは一気にジェットコースターになります。

彼らの運命の転がる先が気になってしょうがなくなりまっせ。

最悪なのに、最高でした。
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by shimo_G | 2008-12-29 22:50 | 漫画・小説
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