カテゴリ:漫画・小説( 37 )

ふがいない僕は空を見た / 窪美澄

ふがいない僕は空を見た

窪 美澄 / 新潮社



本屋大賞のノミネートで知った本作。本屋大賞自体が最近"あれ"なので「どうしようかな?」という感じだったのですが、読んで正解でした。

とある高校生斉藤くんがアニオタコスプレ主婦のあんずとコスプレをして、彼女が書いた台本通りにセックスにふける「ミクマリ」から始まる連作短編の本作ですが、そういったインデックスはどうでもいいです。

読んだ方の中にも「ミクマリ」自体をあまり評価されていない人がいますが、あんずに別れを告げた斉藤くんが自分の中に芽生えた気持ちを実感するシーンが「うわぁ、めちゃめちゃ男心わかってるなぁ」っと自分は感心してしまいましたし、「ミクマリ」以降も登場人物の突拍子の無い行動や、読んでいるこっちが気が滅入るような話にもちゃんと葛藤や、心の変遷が記されていて、読ませます。

「ミクマリ」以降、あんずを中心にした話、斉藤くんに想いを寄せる同級生の話、斉藤くんの友人の話、斉藤くん母の話と物語は展開していきます。そして、皆が陰と陽を背負って生きています。

そして、序盤の性や愛の形から、悪意、貧困、家族と様々な話に繋がって行きます。
どの登場人物も唾棄するような汚さと、抱きしめたいような愛しさを持っています。

それは、そのまま僕らの世界です。

個人的に田岡の言葉がかなり印象に残っています。
「余計なオプションつけるよな神様って。」
「おれは本当にとんでもないやつだから、それ以外のところでは、とんでもなくいいやつにならないとだめなんだ。」
彼自身の葛藤を端的に表したこの言葉はかなり色々考えさせられます。


生まれながらにして、人間はなんでか知らないけど、ジグソーパズルのピースのようなものを持っていて、
これにぴったりはまるピースが見つかったら幸せなんだと思い込んでいて。
一生懸命、欠けたピースを探すんだけど、なかなかピースが見つからなくて。
生まれながら結構ピースが埋まってる奴もいるし。
欠けたピースがもうこの世の中に存在しない奴もいる。
合わないピースを無理やり合わせている奴もいる。
僕の持っているピースに君のピースがぴったり納まるのに、君はそれに気付いていなかったり。
まったくあってないピースを合っていると言われたり。


読んでいる間、そんな事をずっと考えていました。

好きな本です。
言いたい事いっぱいあるんですけど、言葉にするのが難しい本だなぁ。

山本周五郎賞の受賞、おめでとうございます。
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by shimo_g | 2011-05-19 01:13 | 漫画・小説

氷菓 / 米澤穂信

氷菓 (角川スニーカー文庫)

米澤 穂信 / 角川書店


ほいでは、今年一発目は大好きな米澤さんの本。
第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞のこの作品。
いわゆるライトノベルという出発のこの本ですが、それだけで読まない方がいるなら勿体無いし、米澤さんの小市民シリーズを楽しめた方なら、確実に楽しめるはず。

んでは、あらすじ。

神山高校。進学校でありながら、文化系クラブの活動が活発で、年に1回ある文化祭は地域でも盛況。
そんな高校に進学した、勉学にも恋愛にもスポーツにも興味を持たない折木奉太郎<おれきほうたろう>は、海外を旅する姉からの手紙で廃部寸前の古典部に入部することを強要される。「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければならないことは、手短に」をモットーに掲げるホータローは難色を示すも、頭の上がらない姉の命令を聞くことにする。
放課後、古典部の部室である地学講義室へ向かうホータロー、鍵のかかった教室の扉を開けるとそこには長身で黒髪の清楚という形容に相応しい女子高生がいた。彼女の名前は千反田える<ちたんだえる>。ホータローと同じ古典部の新入部員。
顔合わせだけ済ませて、帰宅しようとするホータローは「戸締りを頼むぞ」と千反田に言いその場を去ろうとするが、彼女は鍵など持っていないという。内側から鍵をかけることの出来ない教室は何故密室になったのか?彼女の度忘れという事で話を済ませようとするホータローだが、それでは済まなかった。

清楚だと思った千反田は大きな瞳を凛とさせ、後々のホータローにとって悪夢のような言葉を紡ぐ。

「わたし、気になります」と。

バカバカしいと思って帰ろうとするホータローだが、千反田はスカートをギュッと拳で掴み、上目遣いで彼を睨みつけていた。その迫力に気圧されたホータローは、教室が密室になった理由を考えるのだが。

いつの間にか密室となった教室、愛読されない愛読書、あるはずの文集をないと言い張る少年。好奇心の塊の千反田に振り回されるホータローは、数々の日常の謎を解き明かす。

そして、ある日曜日、千反田に呼び出されたホータローは、彼女の伯父で行方不明となっている元古典部の関谷純について相談を受ける。千反田が子供頃、伯父に聞いた話を、彼女は思い出したいとホータローを頼るのだが。

33年前に作られた古典部の文集「氷菓」について調べるホータロー達は、伯父の言葉にならない思いを受け取る事になる。

っと言った感じ。

小市民シリーズの「春季限定~」と同じような、細かい日常ミステリーを貫く1本のバックグランドがあって、最終的にはそれが解き明かされるという形式ですな。
とにかく良い意味でキャラが立っていて、読みやすい。ミステリーとして額に眉を寄せて読むよりも、とにかくキャラの掛け合いを楽しめば良いと思います。

真相はなんとなしにセンチメンタルな気持ちに。

この後、「愚者のエンドロール」、「クドリャフカの順番」と古典部シリーズは続いていきますが、「クドリャフカの順番」が本当に、本当に素晴らしいので、ここから順番に読んでいって「クドリャフカの順番」に辿り着いてくださいな。

小市民シリーズがかなり好きなので、こっちを読んで楽しめかったらやだなぁ…なんてちょっと思っていたのですが、そんな事なかったですな。

有栖川有栖の江神シリーズ、ドンウィンズロウのニールケアリーシリーズ、京極夏彦の京極堂シリーズ、そして米澤穂信の小市民シリーズと、大好きなミステリーのシリーズに確実に入るこのシリーズ。

楽しみがまた増えました。
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by shimo_G | 2009-01-08 01:18 | 漫画・小説

最悪 / 奥田英朗

最悪 (講談社文庫)

奥田 英朗 / 講談社


えっと、残念ながら冬休み無くなりました…。2日ぐらい休めりゃいいかな。
困ったもんだ。

んでは、本のご紹介。
先日の琴線でちょいと話した奥田さんの出世作"最悪"です。

あらすじ。

川谷信次郎は町工場の経営者。とはいえ、俗に言う零細企業というやつだ。バブルがはじけ、対した儲けにならない仕事を必死にこなす日々。しかし、慎重な経営者であった川谷は信用金庫に500万、銀行に300万の貯蓄があり、「何かあった場合はこの金でなんとかなるだろう」と考えていた。しかし、娘を短大に行かせる余裕なんてなかった。
そんな矢先に取引先の人間から、タレパンという2000万程の機械を導入する事を薦められる。取引先の仕事を断る事に気が引ける川谷は、強い薦めと仕事の約束を取り付けた事からタレパンを導入を決意する。これで娘を短大に行かせ、家族にも楽をさせる事ができる。そして、銀行から融資を受けるために、借金をし銀行に資金を預けることになる。
しかし、同時期に発生していた近隣住民からの騒音苦情、仕事でのミスが徐々に彼の明るい未来に影を作りだしていく…。

藤崎みどりは都市銀行の窓口を担当するOL。自由奔放な妹のせいで、住んでいる実家の母は頭を悩ませている。自分は迷惑をかけてはいけないと考えるみどりは、憂鬱な月曜日の出勤でも足取りは重いながらも休む事なく仕事をしていた。
都市銀行の無駄ともいえる団体主義によって行われる、ゴールデンウィークの研修旅行も当然気乗りはしなかったが、暗黙の了解での全員参加の義務付けを破ることはなかった。参加しなければ、大人とは思えない公然無視のイジメが始まるのだ。
しかし、研修時の食事会で酔い潰れたみどりは、介抱するかのように接して来た支店長からセクハラ行為を受ける。
悩んだ彼女は、同僚のOLに促され、直属の上司ではない課長に被害の相談をするが…。

野村和也は地元の高校を中退し、実家から出て愛知で土木作業員をしていた。職場で知り合った兄弟と懇意になった和也は、親からの解放もあり充実した日々を送っていた。しかし、兄弟が親方ともめて現場を離れ、友人が居なくなった和也は、現場を辞め職を転々とする。去り際の兄弟が「東京に行く」と言っていたため、川崎に移り住んだ和也は、働かずにパチンコと、ケチなカツアゲ、板金工場から盗むトルエンを売って生活を形成していた。
パチンコ屋で知り合った年増のホステスと関係を持ち、充足した生活を送っていた和也は、顔見知りの男と再度トルエンを盗みに工場に入り、多量のトルエンを盗み出す。
仲間の呼び出しでトルエンを裁く兄貴分を紹介したいと言われた和也は、ヤクザの事務所を訪れることになるが…。

そして、接点の無い3人は出会い、極限状態に追い込まれていく。

"最悪"の状況にズブズブとはまった3人を待ち受ける運命は如何に。

といった感じですかね。
ちょっと説明が長いなw。

ミステリーというよりはサスペンス。群像劇を扱ったクライムノベルと言っても良いかも。

とにかく、各人の心理描写が非常に上手い。真綿で締め付けられるように苦境に陥っていく3人の心情が、懇切丁寧に描写されていて、身につまされるものがありますし、読んでて良い意味でウンザリしてくる。こんな状況最悪だなってね。

文体も非常にわかり易く、無駄に難解な書き方をしていないので、ぐいぐい読ませるし、辞め時が見つからないね。3人が出会うのはかなり終盤ですが、そっからは一気にジェットコースターになります。

彼らの運命の転がる先が気になってしょうがなくなりまっせ。

最悪なのに、最高でした。
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by shimo_G | 2008-12-29 22:50 | 漫画・小説

ストロベリーナイト / 誉田哲也

ストロベリーナイト

誉田 哲也 / 光文社


ん~ちょっと前の日記で「グロくて微妙」な事を言っていた本です。
頑張って最後まで読みましたが…褒めるところがほとんどなくてちょっと困ってます。

だいたい褒める所がない物は音楽でも見送りガチなのですが、本で否定的な内容をあまり書いていないので、まぁ「俺はこういうのを気にしてます」ってな感じで書いておけば、他の作品を薦めてる時の判断基準にでもあるかなっと思いまして。

んじゃ、あらすじ。

ある日主婦に発見された青いビニールシート。
その中から惨殺された男性の死体が発見される。
警視庁捜査一課の警部補、姫川玲子が捜査にあたる。

以上。
ホントに基本はこれだけ。難しい設定等もなし。

なので、基本的には読みやすくてスルスルは読める。

しかし、まぁ設定に目新しさもなく、姫川玲子が刑事になった背景も泣かせる話だが、目新しさが無さ過ぎて、「うーん。何だ、女性の刑事は過去に"そういう"事件にあってなきゃ小説になんねぇのか」とか思ってしまう。

また、キャラクター設定も漫画みたいで、ステレオタイプって感じ。良く言えばキャラクターが立っているという評価になるかもしれないが、悪く言えば現実味が無さ過ぎるといった感じ。

表現も漫画的で、90ページでの玲子と井岡のやり取りなのですが、

「そんなのどうでもいいわよ。分かったのよ、あたし、分かったのよ」
「ワシの、愛の尊さが、でっか?」
井岡が親指を噛む。

でっか?ってなんだよ。そんな関西弁を小説で出さん方がいいよ。
後、親指を噛むって。イケズ~ってやつですか?

もうそういった細かい所も気になってしまう。
普段はそういう細かい所を気にしない読み方だし、そこを気にしても仕方ないと思うのですが、
限度ってあるよね。
だから、物語に入りこめない。どこか冷めた目で見てしまう。

後は序盤からグロいシーンがあるのですが、残念ながら必然性をまったく感じる事ができなかった。そのグロさで、精神的崩壊のイメージを表現したかったかもしれないが、直接的過ぎて読み手はただ置いてけぼり。ぞくっするような怖さの表現がされているわけでないので、嫌悪感にしか繋がらない。

犯人の動機も、「まぁそんなとこだろうな」っと言った感じしか受け取れない。
これだけの殺人事件を起こすのに、そんな動機かよって。

せっかく真相に驚きある要素を用意しているのに、それも上手く利用できてるとは思えない。

ATMで200万なんて一気におろせた時代ってあったっけ?とかもある。

っと、残念な部分が多すぎて、読んでいてのめり込めないし。
ご都合主義の典型のようなストーリーもきついね。

書店員さんの解説もべた褒めだけど、この本をそこまで褒めるって大した読書をしていないか、やっぱり自分の店で売りたいだけなんじゃない?って感じ。

しかし、結構売れてるらしんだよね。この本。
まぁ俺の感覚が違うってのでも良いんですが。

久々に読んだ時間を損したといった感じの本でした。
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by shimo_G | 2008-12-21 11:17 | 漫画・小説

インシテミル / 米澤穂信

インシテミル

米澤 穂信 / 文藝春秋


まぁ、もう読んだのは大分前の事ですが。
米澤穂信は良い作家さんだと思うので。

あらすじ。

女にモテるために車が欲しいなと思う大学生の結城は、コンビニでバイト雑誌を読んでいたところ1人の女性に声をかけられる。とてもバイトをするような人間に見えない、良家のお嬢様といった感じの彼女は理由あってバイトを探しているらしいが、どうやらバイト雑誌すらまともに読んだことがないとのこと。たまたま雑誌を読んでいる結城に相談を持ち掛けて来たのだ。
2人でバイト雑誌を眺めるうちに、彼女は「とても良い条件」のバイトを見つける。

年齢性別不問。1週間の短期バイト。ある人文科学的実験の被験者。1日あたりの拘束時間は24時間。人権に配慮した上で、24時間の監視を行う。外部からは隔離する。拘束時間全てに時給を支払う。

時給、1120百円。

そう、時給112,000円という常識では考えられないアルバイトだった。あきらかに誤植だろうと思った結城だが、彼女はまったく意に介さず「後は家人と相談します」っと応募する様子。あまりの怪しさに気が引ける結城も、車が欲しくて応募をする。

バイト先の機構が準備した、乗車券で最寄り駅に行き、迎えの人間に連れてこられた謎の場所には12人の男女が居た。その中にはあの彼女もいた。
最終的意思を確認された12人は、地下実験施設<暗鬼館>に入ることになる。

施設に入り詳細に説明される実験内容。
そして戦慄のボーナス査定内容。

人を殺した場合。
人に殺された場合。
人を殺したものを指摘した場合。
人を殺したものを指摘したものを補佐した場合。

上記の行動を取ったものにはボーナスを提供すると。

被験者達もバカではない、ただ寝ているだけで1800万円以上の報酬が得られるのに、なぜそんなリスクを冒す必要があるのか。殺人なんて冒す奴はバカだという、暗黙の紳士協定。

しかし、3日目の朝。
第1の被害者が発見される事になる。

まぁ特異な設定ではありますが、これは基本的に「雪山の山荘」、「孤島の館」といった本格ミステリーの定番的設定の亜流ですね。非常に現代風なスタートです。

しかし、当然そんな定番の設定を流用する事は本格ミステリーではタブーですので、ちゃんとこの本ならではの設定もしっかりしてあります。

内容のどうこうを言うのではなくて、論理を楽しむタイプの小説ですね。

伏線の張り方もしっかりしているし、回収もちゃんと行っているし、「ニヤリ」とするような設定の妙もしっかりあり。そして、こういう非日常な空間における、正当性が無視される心理なんかもしっかりしてあって、純粋に犯人当てを楽しめますな。

読者への挑戦状があるわけではないですが、「誰が犯人か?」というミステリーの常套を楽しめる作品だと思います。

著者の方も「若い方に犯人当ての楽しさを知って欲しい」的な事を言っていたと思いますし。

そういう意味では良く出来た作品の1つです。
トリックも技巧的なわけではないので、名探偵コナン読んで「ん?もう意味がわかんねぇんだけど」って方でも大丈夫ですよんw。

米澤さんの他の作品と違って、青春ミステリー要素はないのでそこだけは注意が必要ですかね。
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by shimo_G | 2008-12-20 21:41 | 漫画・小説

告白 / 湊 かなえ

告白

湊 かなえ / 双葉社


一気に読んだ。なんか久々だな買って一気に読んだってのは。

いや、アジテートするような倫理観の話もあるが、それ以上にミステリーとしての完成度がかなり高い。正直amazonあたりの評価でミステリー寄りの評価が全然ないのにビックリしてしまう。

第1章で提示されるセンセーショナルな「告白」に目がいってしまう人も多いだろうが、自分はしっかりミステリーとしてのオチを付けているのに感心してしまった。
一読すると無駄とも思える告白の中の言動がキッチリ伏線となって、隠された真実をさらけ出す瞬間が第1章でキッチリ用意されていて、それをステップにさらにデカイ驚きの仕掛けとする。この至極単純であり、命題でもある要素をうまくはめ込んでいる事自体、新人離れした構成力だと思う。

そこの評価がキッチリできる人なら、これを読んでつまらないなんて言う人はほとんどいないだろう。

あんまりストーリーを話すと魅力が減るタイプの小説だから、あまり語らないけど。

しかし、なんだまぁホントに救いようがない。
第1章でとある中学校のクラスの担任が、終業式で行ったある告白から始まる、凄惨なまでの人間の心の闇は、直視するのに耐えない方も多いのではないだろうか。しかし、逆に言うとここまで冷徹に現代人の心の闇を描いた作品もちょっと思い当たらない。

とある一言から始まった復讐、報復。そしてそれを因果として、さらに起き続ける悲劇の数々は、無間地獄のようだ。

ただ、ちょっと苦言を言うならば、作中の話でモデルとしているケースが現実の内容に近すぎて(というかそのまんま)、「んーこういう目線で語ってしまうのはどうだろう??変な勘違いする奴出て来そうだな。」っと思えてしまった事。もうちょっと抽象的でも良かったのでは。
後はリアリティを付けるためにちょっとした小噺をつけていますが、「それは実はできないんだよね」っと思ってしまったり。

とりあえず、基本的にかなりの劇物ですね。
心優しい方は読まない方が良いかとも思います。
あまりに救いのないラストに、心を痛める方もいるかもしれません。

個人的にはあまりに行き過ぎているので、むしろ清清しさがありますが。

それでも、読んでる間は「痛い痛い痛い」っと思ってました。

エログロなんかよりも遥かに痛い。
胸を奥をジリジリと蝋燭の炎で焼かれるように痛い。

それでも直視しなければいけないと思うのだ。

罪と罰を。

そして、大人は夢を子供に託すのではなく、
子供の夢を終わらせる事こそ大人の責任であるということを。


それにしても充実した3時間だったな。
気になる方で、凹まない自信がある方はご一読を。
多分損はしませんぜ。
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by shimo_G | 2008-12-17 00:23 | 漫画・小説

ストリート・キッズ / ドン・ウィンズロウ
ストリート・キッズ
ドン ウィンズロウ Don Winslow 東江 一紀 / 東京創元社

もう何度読んだかわかんないぐらい読んでるなぁ。

前も紹介記事を書いた事があるのですが、概ね皆さんからは不評でしてね。
リベンジです。

作家ドン・ウィンズロウの処女作となる本作ですが、このシリーズを読んだ人は大体本作を最高傑作としますね。軽ハードボイルドとして小気味いい語り口も最高なのですが、ニールケアリーの成長を見ていく上素晴らしい青春小説にもなっているからです。

ニール・ケアリー、ヤク中で売春婦の母親と、顔も見た事もない父親の子供は、他人の財布から日々の生活費を拝借するストリート・キッズ。今日もアイルランドバーで酔っ払いから、財布をくすねる。しかし、的確な状況判断も虚しく、ニールは片腕が義手の男、ジョー・グレアムに捕まってしまう。グレアムは気まぐれを起こし、財布をくすねたニールにターキーサンドをおごり、彼の身の上話を聞いた上で、「もう一度俺の財布に手をかけたら、お前の大事なものをちょんぎってやる」と念を押し、彼を許す。

それから、一週間後。
古くからキタリッジ家が経営する銀行の顧客問題処理部門、"朋友会"の探偵として働くグレアムは仕事のため隠し撮りをするが、ターゲットに気付かれてしまう。ターゲットに追われる中、ニールの姿を偶然見つけ、フィルムを渡す。
グレアムからフィルムを渡されたニールは的確な判断で、そのフィルムを守り抜く。その際ニールの中にある探偵の才能を感じ取ったグレアムは、ニールを探偵として仕込むことを決める。

こうしてニール・ケアリーの探偵としての人生がスタートするのだ。

"朋友会"のボス、イーサン・キタリッジの計らいで、まともな学校に通い、順調にコロンビア大学院に進学したニールは、大学の試験前日にグレアムからの呼び出しをくらい、新しい仕事を受けることになる。

銀行の顧客である、ジョン・チェイス上院議員の1人娘、アリソン・チェイスを探し出すという仕事だ。それもジョン・チェイスの副大統領候補選のためという"クソ"みたいな理由のために。

アリソン・チェイス。通称アリー。
アリーは17歳にして、通常のティーンエイジャーが経験できない快楽のほとんどを経験していた。あらゆる酒、あらゆるドラッグ、あらゆる若い男、あらゆる大人の男。そしてその全てに飽きていた。そして、新しい快楽を求めるため、海を渡ってはるか遠いロンドンへ向かったのだ。どうしようもない"クソ"娘。

しかし、家出をした彼女の車には、父親に犯された苦悩が助手席に転がっていた。

アリーを探しにロンドンへ向かったニールは、嘘で塗り固めた潜入捜査を開始する。

物語の前半は、アリーを探すまでの現在軸の話と、グレアムとニールが血の繋がらない家族として絆を深めていく話が交差し、アリーが見つかってからは現在に主軸を置く構成ですな。

後半ニールと、アリーが二人っきりで数日過ごすシーンがあるのですが、初めての淡い恋愛を経験するアリーが非常に瑞々しく書かれていて、胸に来ます。

訳者の方の仕事も素晴らしい。

構成的に紹介するのが非常に難しく、今回も上手く紹介できていないとは思うのですが。
大学時代に読んだ200冊の小説の中で、未だに手元に持っている唯一の本。

読んでみてほしいな。
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by shimo_G | 2008-07-10 00:12 | 漫画・小説

イニシエーション・ラブ / 乾 くるみ
イニシエーション・ラブ
乾 くるみ / 文藝春秋
ISBN : 4167732017

すごいすごいすごい。
これは、すごい。

最初物語を読んだ時はただの恋愛小説です。
しかし、再読すると…もうホラーの領域だよ。

このブログで初めてこの本を知った方は、
これ以上何も情報を仕入れず読んでください。
リンクすらクリックしないで下さい。
とにかくダッシュで本屋に行って買って、
読んでみて下さい。

あまり本を読まない方の方が楽しめると思います。
自信あります。
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by shimo_G | 2008-06-25 07:51 | 漫画・小説

金色のガッシュ!! / 雷句 誠
金色のガッシュ!! 33
雷句 誠 / 小学館
ISBN : 4091213995

終わってしまいましたな。

最終巻が出る前に裁判やら色々でゴタゴタしていますが。
まぁ「残念」でもあります。

それにしても、やっぱり最後は泣けました。

電車の中で目を真っ赤にしていた巨漢を見た人がいましたら、
それは多分俺です。

長い間、お疲れ様でした!
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by shimo_G | 2008-06-22 13:06 | 漫画・小説

そして扉が閉ざされた / 岡嶋二人
そして扉が閉ざされた
岡嶋 二人 / 講談社
ISBN : 406184816X

岡嶋二人は徳山諄一、井上泉の二人によるコンビ名。共著ってことですね。
昔「殺人者志願」かなんか読んだのですが、そつがなくまとまりのあるミステリーを書くなぁっと思っていて。「チョコレートゲーム」も非常に楽しくてね。

なんとなく、読みたい本がなかったので手にとってみました。

いやぁ、序盤からかなり飛ばしてますなぁ。

目が覚めた時には地下の核シェルターに閉じ込められていた大学生の4人。最後の記憶は咲子の母親に呼び出されて、ジュースを飲まされた事だ。どうやら睡眠薬が混入されていたらしい。戸惑う4人。しかし、トイレに書かれた文字を見て愕然とする。

「お前たちが殺した」

3ヶ月前。アルファロメオに乗った咲子は崖から落ちて亡くなった。警察の見解も事故ということになっていたが、咲子の母、雅代はそれに納得せず、3ヶ月前咲子と時間を共にしていた4人を所有する核シェルターに閉じ込めたのだ。
脱出を試みつつも、咲子の死について考え始める4人。自殺なのか、事故なのか、殺人なのか。

そして彼らは真相に辿り着く。

ってな感じですかね。
普通に読書をする方なら、これを読んでつまんないという人はいないと思います。

軽い気持ちで読むのもありですな。
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by shimo_G | 2008-06-21 03:35 | 漫画・小説

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