カテゴリ:漫画・小説( 37 )

神様のパズル / 機本伸司
神様のパズル
機本 伸司 / ハルキ文庫
ISBN : 4758432333

面白かったー。メッチャメチャ面白かった。

人間は「宇宙を作る事ができるのか?」という壮大なテーマな本書。

物理学の天才少女、穂瑞沙羅華が幼少時代に発表した基礎理論を採用し、巨大な実験施設"むげん"を建設したとある大学(実質的には国家レベルのプロジェクト)の4年生となった綿貫。片想いの女の子と同じ物理学の研究室に入るが、量子力学Iの単位すら取れないほどの物理オンチの彼は、そもそも卒業すらまともに出来るかわからない状態。そんな中教授から提案されたのは、現在不登校中の大学の広告塔、穂瑞をゼミに連れてくる事。単位には関係ないと釘をさされつつも、藁にもすがる想いで穂瑞の元に向かう綿貫。

案の定、メッタメタに言い負かされて、ムカムカして帰る綿貫。遠のく単位。

バイト、就職活動などの日々の忙しさで、2度目の量子力学Iの授業も身が入らなず、聴講生の老人に授業のノートを写させてもらうと、その老人から思いもがけない質問を受ける。「宇宙は"無"からできたというのは本当なんですか?」

老人を連れて再度穂瑞を訪問する綿貫。老人の質問をぶつけるが、穂瑞も「わからない」という。内心ほくそえむ綿貫だが、やはり穂瑞につれなく追い返される。

ゼミの初日。例年通り、特殊相対性理論にゼミのテーマが決まろうとしているなか、以外にも穂瑞がゼミに現れる。助教授に希望のテーマを聞かれた彼女は、「宇宙の作り方」を研究したいと言う。

果たして、宇宙は人間の手によって作れるのか?
綿貫の単位はどうなるのか?w

といった内容ですね。

基礎的な物理学の話を中心に、ゼミの中での発表や討論が中心となって話は進んでいきます。確かに物理の話がわかっていない人にはとっつきにくいですが、基本的に綿貫がずぶの素人なので、そんなに難しくないし、わからないところは「そうなのか」ぐらいに適当に納得しても全然大丈夫です。ただ、読み飛ばすのではなくちゃんと読んだ方が、穂瑞が光子場仮説を打ち立てるあたりの面白さが違ってきそう。

まぁ、一応理系の自分ですが、物理については高校時代の知識しかありません。それでも「なんとなくわかった気がする」って感じですが、十分理論の部分でも楽しめました。

さらに、そんな突拍子もないテーマを研究していても、大学生としての生活が非常にリアルに書いてあるので、物語が乖離しないんですよね。このテーマを推し進めて行くだけでは、絶対に小説には成り得ないと思うのですよ、それこそ妄想の類の論文になってしまいます。

著者はそこら辺をちゃんと考えているのか、ホント大学生がちゃんと大学生してますわ。
それがあるからこの面白さがあると思うのですが、あまりそれに言及している人がいないみたいですなぁ。

物語の後半は実験施設"むげん"を中心に、一気に加速していき、「宇宙とは何か」=「自分とは何か」という方面に話が進んでいきます。綿貫が到達する1つの結論も個人的には気持ち良く感じられました。

読んでる時に普段使わない脳をフル回転させてる感じでしたね。
ブレインヴァレー以来かなこういうの読んだの。

久々の大当たりでした。
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by shimo_G | 2007-12-06 00:35 | 漫画・小説

のはなし / 伊集院光
のはなし
伊集院 光 / 宝島社
ISBN : 4796660941

通勤時間が長くなって本を読むことが増えました。
かといって、眉間に皺を寄せるような本ばかりではなく、たまには肩肘張らずに読める本が読みたいなぁっと思って、かねてより読みたかった伊集院の新刊を購入。

tu-kaのメールマガジンに連載していた750程の原稿の中から、80程を選出して構成された「~の話」。選出は出版社の地下にある神殿で、不思議な力を持った亀が踏んだ物のみ選んだとか…。

ラジオでの妄言・珍言トークや、ファミ通でのコラムとは違って、ちょいと真面目な話や、ぐっとくる話なんかもあって、かなり楽しめましたね。とは言え、スタートは「あそこが痒いの話」からですからねw

個人的には「ペットショップの話」がかなり考えさせられるものがありました。
伊集院の友人が好きでもない犬を家族に言われて購入したものの、その犬には生まれつきの障害があって…という入りだけ聞くとちょっと凹むような話なんですが、その友人が熱い人でね。

後は、奥さんの篠岡美佳さんとの日常も書いてあったり、珍しい伊集院が見れますね。

スペシャルサンクスに奥さんの名前だけ入っているのが、伊集院らしくないですがw

D.Tや球漫とは違った面白さですな。
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by shimo_G | 2007-11-27 23:01 | 漫画・小説

邪魅の雫 / 京極夏彦
邪魅の雫
京極 夏彦 / 講談社
ISBN : 4061824384

ようやく読み終えた。購入後1年ちょい。やはり長いなw。
とりあえず一気に200ページほど読んでから10ヶ月ほど放置。XBOX360がぶっ壊れてまた200ページほど読み進める。んで、最近の長い通勤時間を潰すためにまた読み始めまして。
昨日の夜一気に読了と。

うーむ、確かに初期の作品と比べてしまうとね。全体的に湿った感じがすくないんだよなぁ。
まぁ、著者も言っているようにこれは推理小説ではありません。犯人当てもありません。妖怪小説というといらぬ誤解を得そうなのですが。

大磯・平塚を中心に起きる連続毒殺事件を青木が、榎木津探偵に訪れるお見合い話を益田が転がしていく今回の話は事件的には大した内容じゃない。ただ、数多くの登場人物の視点がフラッシュバックのように展開していって、根底に流れる物語を覆い隠している。序盤は正直ダラダラ。後半事件が急速に転がり始めると一気に面白くなったね。

今回のテーマは「セカイ系作品へのアンチ」だと思います。
いわゆる限られた人間、つまり僕と君が世界の大部分を構成していて、その関係性が世界の運命を握っているという、この世界を構成しているのは自分自身といういわゆるセカイ系作品が漫画や小説、映画なんかにも90年代後半から溢れているのですが、今作の被疑者、被害者などの登場人物は根底に「世界の中心は自分。自分が認識している世界が全て」という人達ばかりです。自己肥大ですね。その思いが複雑に交差しています。

しかし、物語の後半、中禅寺はこう言います。
「貴方は世界の構成要素なのだ」と。

その一言がこの物語の全てのような気がします。
つまりその一言を言いたいがための物語のような気がするのです。

京極夏彦の京極堂シリーズは根底に"物事をどう認識するのか"というのが流れています。
この要素は一貫していると思います。本作も然りです。

作品数が増えるごとにミステリー要素は少なくなり、前作では遂に「最初の数ページで全てがわかってしまう」という大胆な手法を取り入れましたが、今作は若干初期に近づいたかと思いますね。

それにしてもラストの中禅寺は「元々予定してなかったのに、急遽登場させた」らしいので、やはり消化不良な感じがしますね。

1冊1冊がかなり長いのでそこそこ読書をする方にしかお薦めできませんが、初期作品は何度でも読めるほど面白いです。ミステリー系では有名なシリーズなのに自分の周りでは読んだことある人がほとんどいないので、興味がある方は是非。
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by shimo_G | 2007-11-10 13:49 | 漫画・小説

おおきく振りかぶって。
おおきく振りかぶって Vol.8
ひぐち アサ / 講談社
ISBN : 4063144518

読んでます。アニメが始まったためかなんか大人気みたいですね。
ってかね、普通に面白いです。

いや、ゴメン。

マジ、最高です。
ホントに。ちょっとね、嬉しすぎて逆にテンション押さえてますよ。

あーっと、話の筋を説明すべきかな。

物語は埼玉の西浦高校の新年度から始まります。軟式から硬式になったばかりの野球部に集まったのは新1年生のみ。その中には主人公の三橋がいてね。元々は群馬のエスカレーター式の学校に通っていたのですが、祖父が経営する学校のため"ひいき"で投手になってしまう事の歪みに耐えられなくなり、群馬を離れ埼玉の高校に進学します。
そうしたバックボーンを持っているため、恐ろしくマイナス思考で、卑屈な性格でね。捕手相手に投球してみてと言われても泣き出してしまう始末。しかし、捕手の阿部はその球を受け、スピードが遅いながらも、その独特の"まっすぐ"の特性を見抜き(投球指導をされていないためストレートが投げれないのね)、高校球児に似つかわしくない正確なコントロールに惚れ込みます。そして、「こいつがいれば甲子園に行ける」っと確信するところから物語はスタートします。

作者の方は女性なのですが、かなりの野球好きらしく、小ネタもかなり散りばめていますし。ものすごい愛情を持ってキャラ1人1人に接しているのがわかります。だからキャラクターの個性付けもしっかりしてますし、序盤ではあまりフィーチャーされない選手も試合ではしっかり味を出してます。

野球漫画は水島先生を筆頭にやりつくされた感がありますが、心理描写がしっかりしているので、試合の緊張感が自ずと出てきていますし。何より皆良い子でねw。
それにとてもうまいと思うのが、三橋が速球派の投手じゃないって事ですね。敵が強くなる⇒今まで隠していた球種がいきなり増えるorなんだか知らないが気合で球速が早くなるなどの解決策がないので、インフレになりにくいですしね。

中には「コントロールがいいだけじゃ打たれる。野球をわかってない。」などの批判もあるようですが、それには「お前はオリックスの星野を知らないのかっ!」っと言っておきたいですw。

後は「同人っぽいキャラが嫌い」とかね。そんな次元で漫画読んでる人いんだ?って感じ。

「キレイ過ぎて…」というのもね。これは三橋が"普通"である事を取り戻す物語でもあるのだと思います。恵まれている事に気付く物語なのです。だから"普通"を描いているのだと俺は思います。

なんてね。そんなの関係ねぇ!
ホントに面白いからね。すっげぇドキドキすっからね。

欠点があるのだとすれば、この漫画が野球漫画であるということ。

ここ最近読み出した漫画の中では、ダントツです。
我が家で漫画喫茶のようにカバーかけて大切に保管しております。

こんなの事するの、初めてです。
女の子にも読んでもらいたいね。
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by shimo_G | 2007-08-14 21:49 | 漫画・小説

華麗なるドル箱生活 / 南山本春
パチンコ華麗なるドル箱生活
南山 本春 / 竹書房

自他共に認めるパチンコ大好きの私ですが、最近は攻略雑誌などよりはパチンコ漫画を読むことが増えました。しかも、攻略なんて気にせず楽しんで読んでますw
あぁ、こんな事書くとイラつくトラックバックばっかつきそうだけど。

最高に面白いので、紹介せずにはいられませんっ!
ってか、これがコンビニとかでしかほぼ買えない状態に怒りすら感じまっせっ!

多数のパチンコ漫画誌に連載している南山先生ですが、5月にパチンコランドの連載「華麗なるドル箱生活」が単行本になりました。今ならまだどこかで売ってるかもしれないので。
内容としては大体がパチンコ台1機種に対するミナリン(南山)&ユカリン(パチラン編集)のノリ打ちなのですが、完全に常軌逸しております。
とにかく突っ込む突っ込む、「店員が担ぐのをためらう4箱以上なければ、のませて止めるが南山流」という恐ろしい掟を振りかざし、最低5万は当たり前の暴走列車っ!

とにかくミナリン&ユカリンの掛け合いが面白すぎますわ。
んでは、以下南山語録。

「誰が1箱ずつ戻して来い言うたあああ!?全部戻せ!最悪全部飲ます事になるねんやーーーー!!!」
発言者:ミナリン
状況:仕事人3で出ては飲まれてを繰り返し、ユカリンの別積みをさも自分の箱のように使おうとするが、店員が1箱だけ持って来た。

「役モノのウルトラマンがここに居る。右の手のひらと左の手のひらを合わせてじっと見つめろ。そして祈れーーー!!!当たるように!!!一回転でも早くとーーー!!!」
発言者:ミナリン
状況:ウルトラマンの先行導入で実戦済みのミナリンにユカリンが台の解説を求めた際の一言。

「地球破壊爆弾って…どこで売ってるんだろうーーー」
発言者:ユカリン
状況:ウルトラマンで300回ハマリでハヤタチャンスを引いた際。その後、ユカリンは…スゴイことになる。

「はずせよ!!!!!」
発言者:ミナリン
状況:冬ソナで全ツッパ覚悟後に、ユカリン単発当たり時。

「会社帰りのハイエナに取りこぼしを食われるくらいなら・・・・燃え尽きるまでーーーーーー!!!!」
発言者:ミナリン
状況:吉田拓郎の夏休みがいっぱいにて。南山流奥義、炎の全ツッパ発動時。

「どう…でも…いいですヨ…」
発言者:ミナリン&ユカリン
状況:ウルトラセブンで痛い目にあった報告を編集部でしている最中。だいたひかるのネタのパロだが、多分、本気で泣いてるw

「千回転くらいまでは…様子を見ようか…」
発言者:ミナリン
状況:出典多数。ハマリはじめると、とりあえずこれ。当然の事ながら、千回転までは様子見とは普通言わないw

単行本自体は手に入らないかもしれませんが、パチンコ漫画誌をコンビニで立ち読みすれば、何冊かに連載を持っているので、興味がある方はご一読を。

「パチンコ漫画なんて漫画界の底辺だ」なんて事を南山先生自体も言われた事があるようですが、そんなんぶっちぎってます。マジで面白いです。

パチンコ777の「漢のパチンコ道」もミナリン&ユカリンコンビでやばいです。

ネットで検索してもあまり情報がないので、紹介記事を書かせてもらいました。
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by shimo_G | 2007-07-10 23:09 | 漫画・小説

小説・こちら葛飾区亀有公園前派出所。
小説こちら葛飾区亀有公園前派出所
大沢 在昌 他 / 集英社
ISBN : 4087804666


こち亀自体は熱心な読者ではないが、好きなマンガ。

たまたまネットを見ていて見つけたのですが、最初はそんなにピンと来ず。しかし、どうやらあの新宿の鮫、鮫島刑事とのコラボもあるようなので、俄然読みたくなって、昨日購入。一気に読みました。

いやぁ、面白かったですわぁ。

大沢在昌、京極夏彦、東野圭吾と好きな作家が参戦してますし。
逢坂剛の作品はずっと読みたいと思っていましたし。

石田衣良は…別に…w

なんと言っても各作家さんの有名キャラが惜しげもなく、両さんとコラボしてます。
特に鮫島とは形は違えど同じ規格外の警察官としてシンパシーを抱いていたり。
IWGPのマコトは両さんに惚れこんでいたり。
大原部長の前に現れる「古本屋の老人」なんて悶絶ですわw
「この世には不思議なことなんてないんですよ」ってw

逢坂剛の作品はニヤリとできる良いまとまりだし、柴田よしきの作品は両さんの特性を良く掴んでいて、マンガでありそうな内容だし。今野敏はちょっとぐっときましたし。東野圭吾もハチャメチャっすわw

途中の挿絵がまたいいっすね。

好きな作家さんがいて、こち亀をそこそこ知っているなら十分楽しめますね。
ディープに好きなら好きなほど楽しめます。

今まで読んだ事のない作家さんをチェックしたくなりましたね。
名作と名高い「カディスの赤い星」が読みたいっすわ。

こういう試みは好きですねw
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by shimo_G | 2007-06-09 06:50 | 漫画・小説

デトロイト・メタル・シティ。
デトロイト・メタル・シティ 1
若杉 公徳 / 白泉社
ISBN : 4592143515


久々にギャグ漫画読みました。

デトロイト・メタル・シティ。
インディーシーンで人気を誇る悪魔系デスメタルバンド。
メンバーはギターボーカルのクラウザーⅡ世、ベースボーカルのジャギ、ドラムのカミュ。
派手なステージと、放送禁止用語連発の歌詞で人気を得る。
特にクラウザーは地獄からの使者として、カリスマ的人気を得る。

しかし。

ホントのクラウザーは、根岸宗一、23歳童貞。(宗の漢字がでねぇ)

スウェディッシュポップバンドに憧れる根岸は何の因果か真逆のデスメタルバンドに。
何度も何度もバンドを辞めようとするが、その度に事務所の社長に蹴られたり、女性関係のトラブルに巻き込まれたり。結局そのストレスを吐き出すために、今日もクラウザーとしてステージに立つ。

強烈にデフォルメされた、デスメタル、パンク、ヒップホップも面白いが、オシャレな裏原系自体もデフォルメしておちょくってる感じがするのがいいですわw

ってか、クラウザーが悩むたびに笑えますねw

内容が内容だけにここではあまり説明できませんが、とりあえず読んでみて下さいなw
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by shimo_G | 2007-05-27 21:09 | 漫画・小説

イキガミ。
イキガミ 1
間瀬 元朗 / 小学館
ISBN : 4091532810

噂の「イキガミ」を昨日購入。

なんか色んなメディアで取り上げられて大絶賛らしいですが、自分がこの作品を知ったのは伊集院光のラジオで「品川庄二の品川君が『やばいやばい』と薦めてくれたのだけど、これで面白かったら品川君に『ありがとう』と言わなきゃいけない気がして、なんかヤダ」という、伊集院のトークだったように思います。

んで、あっ俺、品川君にありがとうって言わなくていいから、読みたいなっと思いまして。

物語は、「国家繁栄維持法」という法律が施行されている架空の日本が舞台。
小学校入学と同時に児童全員に行われる予防接種に1/1000の割合でナノカプセルが混入されており、18歳~24歳になると心臓付近で破裂。死亡に至る。常に「死が近くにある」状態で生の尊さを実感するというのが、「国家繁栄維持法」という法律の概要。

んで、そのナノカプセル混入された予防接種をした人間に対して、国から死亡予定時間の24時間前に死亡予告証、通称"逝紙"が配布される。この漫画はその"逝紙"が渡されてからの24時間を"どのように生きるか"にスポットを当てたオムニバス形式で進行していきます。

まぁ、最初に感想を言っておくと、おもしろいけど絶賛って程じゃないっす。
でも今後には期待って感じですかね。

色々評価などを見たのですが、まず「設定がありえない」というのはこの際どうでもいいw
そんなこたぁわかってますw

法律制定の背景、オーバーテクノロジー、施行後の社会背景の説明の無茶苦茶な部分も(なんで出生率が上がるのだ?)目に付きますが、この際「極限状態を用意するための方便」と思っておきましょう。
そもそも、作者がちょいちょい説明を入れて、居直っていないのが微妙です。まぁ定期連載じゃないから仕方ないのかも。

それよりも、もっともっと言及するところがあるでしょうがっ!

個人的に一番気になったのが、これから死亡する人間の24時間の使い方。なんというか、切迫感がないのですよ。というのも、個々に何かしら問題を持っているケースばかり書かれているので、「その問題を解決しよう」とすることにばかり物語が向いてしまっていて、普通の人間が突然の死亡宣告を受け、それによる絶望や、諦観があって動き出す物語じゃないんですよね。

元々背景にいじめ、夢破れた絶望、恋人とうまくいってない現状などがあっての物語なんですよね。

それもあってもいいのですが、それではやっぱり足りないんですよ。

すごく幸せに暮らしている人間が、死亡宣告を受ける事で、24時間の生活をどういう選択をしていくのか?過去の清算をするのか、未来の架け橋をかけるのか、そこが読みたいのですよ。

まだ2巻までしか読んでないので、そういうパターンが今後あるのかわからないのですが。
3巻までしか出てないしね。
2巻の出征前夜のような話でも、もっと明るいものがあっても良いと思うんですよね。

あと、それこそ死の瞬間が描いて無いのも、"死"を扱っているのに納得がいきませんね。
せっかく24時間というタイムリミットを切ったのなら、24時間ギリギリまでもがく姿を描かなきゃそれこそ死んでいった彼らに申し訳が立ちません。

ちょいと厳しい評価でありましたが、題材は非常に興味深いので、それを落とし所さえ間違えなければもっともっといい作品になるのではないかと思います。

読んで損はないと思いますよ。
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by shimo_G | 2007-05-21 23:45 | 漫画・小説

銀河英雄伝説
銀河英雄伝説 1 黎明編
田中 芳樹 / / 東京創元社
ISBN : 4488725015

久々の読書ネタ。
というか、今更な感じはありますが、既に自分の世代の人間でもほとんど読んだ事がない人ばかりなので。

えーっと名前は聞いた事ある人もいるかと思いますが。

銀河英雄伝説が刊行されたのは今から20年以上前です。自分が読み始めたのは高校時代で、既に10年前。周りに読んでいる人は皆無でした。本屋に行くたびに新書としておいてあるこの本が凄い気になって、10年以上前の作品と知り、"それでも新書として版数を重ねている"事に、「凄い面白い本なんじゃないか?」と思って手に取りました。

それから授業はそっちのけになりました。

そもそもSF自体にあまり興味がない人間だったので、ロボットなんか出てこない日本独自のスペースオペラに完全にはまりましたね。

銀河系に一大王朝を築きあげたルドルフ・フォン・ゴールデンバウムによる帝国と、その圧制に反発し何万人かの亡命者によって築き上げられた民主主義国家、自由惑星同盟。
数世紀に渡る両国の戦争の中、帝国には常勝の天才、ラインハルト・ミューゼル、同盟には不可能を可能にする奇跡の男、ヤン・ウェンリーの2人が現れる。2人を中心に銀河の歴史は急速にその歯車を回転させていく。

物語は一貫して"後世の歴史家目線"で、2人の生き様について語られていきます。宇宙を手にしようと突き進む野心家ラインハルトと、歴史を学ぶための金銭がなく仕方なく軍人になったヤンという対照的な2人のキャラクターにあわせ、政治的な思想や、戦争における戦略、戦術の描写が非常に克明で、通常のSFとは一線を引いた作品です。どちらかといば架空の時代小説といった形式ですね。

SFに政治的思想や、戦略、戦術の違いをキッチリ書ききって、それによる国家間の陰謀や、策略の妙を楽しませるという点において、この作品は完全に独自の路線を突き進んだ名作です。今でもこれ以上のスペースオペラは日本にはないでしょうし、海外ではそもそもこういう作品自体が皆無です。

本編だけで10冊あるので、かなり長いのですが、読むだけの価値はあると思います。

登場人物が100人以上いるので、アニメ版も同時に観ると大分わかりやすくなると思います。アニメ版も全てのエピソードが映像となっており、100話を超えてます。バスタードの荻原氏曰く「このDVDがあれば一生大丈夫」と言わしめる作品ですので。

自分が紹介しているのは創元SF文庫から最近発行された文庫です。現在までに新書⇒徳間文庫⇒徳間ディアル文庫⇒創元SF文庫と遂に出版社をまたいでしまったのですが、全てを読むなら徳間ディアル文庫しか現在は手に入らないはずです。創元SF文庫は大人でも楽しめる装丁の文庫として最近刊行され始めました。今回はそれを手に取った次第です。

さて、まぁここまで書いて読む人がいるのかわかりませんがw。
昨日久々に本を手にとって一気に読んだのでw
その勢いですねw
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by shimo_G | 2007-04-07 20:14 | 漫画・小説

WORST。
WORST 16 (16)
高橋 ヒロシ / / 秋田書店
ISBN : 4253202322


月刊少年チャンピョンでの連載だから、どれだけの方が知っているのかわからないのですが、ようやくWORSTを読み出しました。まぁ、マン喫でなんで。

やべぇっす。

こりゃ、やべぇっすよっ!!!

血が沸騰って感じっすよっ!!!

とにかく熱いです。熱すぎです。
基本的にヤンキー漫画はBAD BOYSで洗礼を受けた人間なので、熱いの大好きなのですが。もう完璧っすわ。高校生にしては重い重い言葉で紡がれる物語に、クラクラ来ます。

グリコはかっちょいいし。
将五も熱いし。
鉄生なんて、ホントよぅ…。

前作のクローズを読んでいないので、伝説の男"坊屋春道"の生き様は知りません。
こりゃ完全版購入決定だな。

武装戦線と百鬼の抗争が起きそうになった時の次巻予告に。

「腐った政治家、官僚ども!見ろ!これが人の上に立つ男の姿だ!」
(多分違いますねwけどこんな感じでした。)

っと書いてあったのに震えが来ました。

男でも女でも読んで、"本当に熱くてかっこいい男"を感じてくださいな。

あぁ、最近良い物との出会いが多くて、毎度毎度言ってるような気がして気が引けますが。

それでも。

最高っすよっ!!!!
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by shimo_G | 2007-03-17 22:52 | 漫画・小説

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